会社や法人に関する登記手続


会社や法人の登記は義務です

  会社(株式会社や有限会社等)や法人(一般社団法人や一般財団法人等)の社名や事業目的あるいは役員構成といった重要な事項ついて、法務局で登録し、誰でもその内容を確認できる制度のことを「商業(法人)登記」といいます。

会社や法人は設立登記によって成立します。よって、設立登記前には会社や法人は存在しません。また、設立後も登記した内容に変更が生じた場合にも登記が必要となります。

登記が義務となっていない不動産登記と異なり、商業登記は登記した内容に変更が生じた場合、登記(変更登記)申請が義務となっています。

では、なぜ商業登記は義務とされているのでしょうか?

取引が頻繁に行われる商業の世界においては、取引の安全が重要とされます。会社や法人と初めて取引する相手としては、その会社や法人がどのような者なのかを知ることは大切です。

取引相手としては、商業登記簿を確認することで会社や法人の内容を知ることができます。そして、その内容を参考に取引を行うか否かの判断をすることが可能となります。

つまり、商業登記は取引の相手方を保護し、安全で円滑な取引の実現に役立っているのです。

このように、商業登記は重要な役割を担っていますが、登記した内容に変更が生じたにもかかわらず変更登記がなされなければ、会社の実体とは異なる内容となってしまい、取引相手としては安心して取引ができません。

そこで商業登記は、登記した内容に信頼性をもたせるため、変更が生じた場合には一定の登記期間を設けて、登記を義務づけています。また、登記期間内に登記することを怠った場合には、過料が課されます。

商業(法人)登記は、主に以下の場合に行います。

1.会社や法人を設立するとき

新たに会社や法人を設立するには、設立登記が必要となります。先ほど申し上げたとおり、会社や法人は設立登記によって成立するからです。

例えば株式会社を設立する場合、次の1~5のような流れとなります。

会社設立までの流れ

公証人による定款の認証

出資金の払い込み

役員の選任

設立登記

このように会社設立の手続は複雑で法律の知識が必要となります。そのため、個人で会社を設立するとなると、見落としてしまう事項もあり、スムーズに手続を進めることは簡単ではありません。

また、設立する会社が建設業の場合、建設業の許可が必要となります。当事務所は、建設業の許可申請の専門家と連携していますので、設立後の手続もスムーズに対応できます。

当事務所では、定款の作成、定款の認証、設立登記の申請といった会社(法人)の成立に至るまでの手続を承ります。

 代表取締役等の住所非表示について

  • 令和6年10月1日より、株式会社の代表取締役等の住所の一部を、会社の登記事項証明書(いわゆる「登記簿謄本」)に表示しないようにすることが可能となりました。詳しくはこちら

2.会社や法人の役員が変わったとき

会社や法人の役員(取締役や理事等)には任期があります。例えば株式会社の取締役の任期は原則2年となります。

役員が新たに就任する場合や役員が辞任する場合、現在の役員が任期満了により再任する場合であっても、役員の変更登記が必要となります。

登記された役員について、引っ越しをして住所が変わった場合や、結婚等により名前が変わった場合、住所や氏名の変更登記が必要となります。

 会社や法人の「みなし解散」について

  • 一定期間、会社や法人の登記をせずに放置している会社や法人については、法務局により強制的に解散とみなされる場合があります。これを「みなし解散」といいます。詳しくはこちら

3.社名を変更するとき

会社の社名(「商号」といいます)や法人の名前(「名称」といいます)を変更する場合、定款の変更が必要となります。

株式会社の場合は、株主総会において商号を変更する定款変更決議を行い、商号変更の登記を行います。

商号(名称)には、使用できない文字や使用が制限されている名称等があるので注意が必要です。

4.事業目的を変更するとき

会社や一般社団法人の事業目的を変更する場合、定款の変更が必要となります。

株式会社の場合は、株主総会において事業目的を変更する定款変更決議を行い、目的変更の登記を行います。

事業目的については、法律に違反しないことや内容が明確であること等が必要とされます。また、株式会社においては、営利を目的とするものでなければなりません。

5.会社や法人の本社を移転するとき

会社や法人の本社(会社は「本店」、法人は「主たる事務所」といいます)を他の場所に移転する場合、原則として定款の変更が必要となります。

株式会社の場合は、原則として、株主総会において本店を移転する定款変更決議を行い、本店移転の登記を行います。

現在の本店のある場所から他の都道府県に移転する場合には、手続が複雑になります。

6.会社や法人を解散するとき

会社や法人を解散する場合、次の1~6ような流れになります。

会社解散の流れ

1

解散の決議

2

清算人の選任

3

解散及び清算人の登記

4

官報による公告

5

清算人による決算報告

6

清算結了の登記

このように解散の手続は複雑で法律の知識が必要となります。そのため、個人で解散手続を行うと、見落としてしまう事項もあり、スムーズに手続を進めることは簡単ではありません。

当事務所では、解散に関する株主総会議事録等の作成、官報への公告手続、解散・清算人・清算結了登記の申請手続を承ります。

PAGE TOP